日本語でイタリアを知る – ルネッサンス美術

イタリア美術史の中でも、最も魅力のある時期の一つはルネッサンスです。画家同士の交流や、司祭や法王、有力貴族らと有力な画家とのつながり等が様々に折り重なり、絵画技術が一つ一つ確立され、画家の存在が徐々に文化的価値を有するに至るまでの過程がドラマチックです。

 さて、そんなルネサンス美術を日本語で知ることができる、しかも写真が非常に豊富で解説もメリハリがある本を見つけました。それは、「図説 イタリア・ルネサンス美術史(河出書房新社)松浦弘明 著」です。

 全体は4章に分かれていて、第一章ではプロト・ルネサンスと定義し、主にジョットとその前後の絵画技術の潮流について書かれています。少しここで考えてみましょう。ジョットの絵画は一体どの点が革新的だったのでしょうか。

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「イタリア・ルネサンス美術史」の表紙

 この本では、中世美術の特徴を「聖人の神性を強調するために、人物像からはあえて人間らしさを排除し、その周囲の空間を非現実的な世界として再現する点」にある、と解説します。それに対して、ジョットがいた時代には既に絵画全体が写実的な方向へ進み始めていて、ジョットはそのような時代のトップランナーとして建築物を”リアル”に描きだしました。遠近法を取り入れて部屋の奥行きを表現したり、聖母マリアを描く際には頬を少し赤らんだ状態で描き”人間らしさ”がより伝わるような描き方が、彼の絵画のスゴいところだったのです。

 そんなジョットの技法を学んだ画家は多くいたようなのですが、そのなかでも分かりやすく解説されているのがシエナ出身の画家、ドゥッチョです。この本では、ジョットの作品と出会う前後のドゥッチョの描いた2つの、聖母をテーマにした絵画を比較し、その違いからドゥッチョがジョットの作品から何を学んだのかを探り出します。

 時として、外国語をそのまま日本語に訳したかのような、独特の堅い口調で説明されている部分もあり、そこだけは読み辛いと思います。しかし、全体として、「誰が誰に影響を受けたのか」「どんな点が継承され、どんな点は継承されなかったのか」「それがどんなところにみてとれるのか」をジョット以降カラバッジョ(ミケランジェロ・メリーズィ)の時代まで、絵画の写真をふんだんに使いながら説明してくれます 。

 今後、ルネサンス期の絵画を見る際に、テーマや描き方を観察することに加えて、その作者(画家)の誰が師匠で、何を学んだのか、など描いた人にも注目することで、一段と味わい深くなるのではないかと思います。是非、まずは近くの図書館で探してみてください。

ケン

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2 thoughts on “日本語でイタリアを知る – ルネッサンス美術”

  1. Thank you so much for your kind comment, Kiersten. I and other members of the team Itappon appreciate it if you will follow us from now on and forever. There will be many other intersting topica on this site so I hope you will enjoy it. ITAPPON member, KEN

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  2. Ahaa, its nice discussion on the topic of this article here at this website, I have read all that, so now me also commenting here.

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